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用語解説

熱中症(ねっちゅうしょう)

Heat illness

内容
 熱中症は熱ストレスにより高体温の状態が続くことで引き起こされる病態で、非労作性熱中症と労作性熱中症に大別することができます1。安静時や日常生活中に起こる非労作性熱中症は、体温調節機能の乏しい幼児や高齢者に多く報告されています1。一方で、労作性熱中症は高強度運動による体温の急激な上昇、発汗による脱水、体熱を効率的に放散できない状況(例:スポーツ防具の着用、高温・多湿)などが原因で発生することから、体調不良者や元々体力のない人だけでなく、競技レベルの高い選手にも発生することがあります1,2。労作性熱中症はさらに熱失神、運動誘発性筋けいれん、熱疲労、労作性熱射病に分類され、それぞれに異なる発症メカニズムが存在します2,3。
 日本救急医学会による基準では、暑熱環境による身体障害の名称を「熱中症」とし、熱中症を症状の重症度(I 〜III度)によって分類しています4。

I度:応急処置と見守りが必要な状態であり、臨床症状としては熱痙攣と熱失神に相当します。
II度:医療機関での診察が必要とされる状態であり、臨床症状としては熱疲労に相当します。
III度:入院加療(場合によっては集中治療)が必要な状態であり、臨床症状としては熱射病に相当します。
参考文献
1. Bouchama A, Knochel JP. Heat stroke. N Engl J Med, 346(25):1978-1988, 2002.
2. Casa DJ, DeMartini JK, Bergeron MF, Csillan D, Eichner ER, Lopez RM, Ferrara MS, Miller KC, O’Connor F, Sawka MN, Yeargin SW. National Athletic Trainers’ Association position statement: exertional heat illnesses. J Athl Train, 50(9):986-1000, 2015.
3. Armstrong LE, Casa DJ, Millard-Stafford M, Moran DS, Pyne SW, Roberts WO. American College of Sports Medicine position stand. Exertional heat illness during training and competition. Med Sci Sports Exerc, 39(3):556-572, 2007.
4. 日本救急医学会熱中症に関する委員会. 熱中症診療ガイドライン2015, 2015.

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