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用語解説

発育曲線(はついくきょくせん)

curve of growth

内容
 個人や集団の身体発育の特徴を把握するために、縦断あるいは横断的に計測した身体計測値を用いて作成したグラフ全般を指します。
 小児科分野などでは成長曲線とも呼ばれ、代表的なものに全国の乳幼児及び児童生徒のデータを基に作成された身長・体重の成長曲線(日本学校保健会)があります。この曲線は、基準図上に個人の計測値をプロットすることで、発育特性の評価や成長異常の早期発見などに役立てることができます。また、教育やスポーツ分野で広く知られる「スキャモンの発育曲線」は、身体各部位の長さや各臓器・器官の重さなどを基に、発育パターンが類似している神経型・リンパ型・生殖型・一般型の4つの曲線を示しています。この曲線は、身体諸器官の発育パターンの相違を視覚的に捉えやすい一方で、検証が不十分という留意点もあります。
 さらに、一定期間あたりの発育増加量を用いた「発育速度曲線」からは、詳細な発育パターンや身体成熟度の評価が可能となります。
参考文献
● J.M.Tanner.(林正 監訳):成長の「しくみ」をとく,東山書房, 京都, 1-18,199-214,1995.
● 文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課(監修):平成27年度改定 児童生徒等の健康診断マニュアル,日本学校保健会,東京,68-72,2015.
● 日本小児内分泌学会・日本成長学会合同標準値委員会:日本人小児の体格の評価に関する基本的な考え方,日本成長会誌,17(2):84-99,2011
● 佐竹隆:スキャモンの発育曲線とは何か,子どもと発育発達,12(4) : 222-231,2015.
● 藤井勝紀:スキャモンの発育曲線の諸課題,子どもと発育発達,12(4) : 243-253,2015.

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