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用語解説

障害(しょうがい)

Overuse injury

内容
 障害は外傷のような1回の急性的な外力ではなく、微力な外力が比較的長期間に反復して、過度に加わることで生じる筋、腱、靭帯、骨、滑膜などの慢性炎症性変化です。練習量、質に起因する使いすぎ(Overuse)や負荷量の増大(Overlord)に加え、筋タイトネス、アライメント異常、誤ったフォームなどの身体的な問題やグラウンド状況などの環境的要因が加わることで発生することが多いです。外傷所見とは違い、熱感、発赤、腫脹といった急性所見は少ないですが、腱炎、骨膜炎のように運動時疼痛が持続し、慢性化しやすい傾向にあります。代表例として疲労骨折、ジャンパー膝、肩腱板炎や成長期骨端症のオスグッド症、セーバー病などがあります。
参考文献
・小出清一, 福林徹, 河野一郎編: スポーツ指導者のためのスポーツ医学, 南江堂, 東京, 2000.
・中嶋寛之編著: スポーツ外傷と障害, 文光堂, 東京, 1996.
・公益財団法人日本体育協会: 公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷・障害の基礎知識, 文光堂, 2007.
・Peter Brukner and Karim Khan with colleagues 著, 籾山日出樹, 赤坂清和, 河西理恵, 黒澤和生, 丸山仁司 翻訳: 臨床スポーツ医学, 医学映像教育センター, 東京, 2009.
・広瀬統一, 泉重樹, 上松大輔, 笠原政志 編: アスレティックトレーニング学, 文光堂, 東京, 2019.
・Bahr R, Clarsen B, Derman W, Dvorak J, Emery CA, Finch CF, Chamari K. :International Olympic Committee Consensus Statement: Methods for Recording and Reporting of Epidemiological Data on Injury and Illness in Sport 2020 (Including STROBE Extension for Sport Injury and Illness Surveillance (STROBE-SIIS)). British journal of sports medicine, 54(7), 372-389. 2020.

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