内容 |
スポーツ傷害の発生機序とは、危険因子(内的および外的)の相互作用により高い感受性を有する選手に対して、最終的に誘発事象が作用することで外傷・障害の発生に至る過程を指します。つまり、外傷・障害の発生機序は危険因子に比べて、受傷というアウトカムに近い原因を示す概念となります。スポーツ外傷・障害の発生機序となる誘発事象として、(1) プレー状況、(2) 選手(相手/味方)の行動、(3) 全身のバイオメカニクス的特徴、(4)関節や組織のバイオメカニクス的特徴などが挙げられます。アスレティックトレーニングの現場では、外傷・障害の発生機序を一様に考えず、それぞれのスポーツ現場が有する競技特性や 発生状況を加味したうえで、原因と対策を考えていくことが重要となります。 |
参考文献 |
・Bahr R, Krosshaug T. Understanding injury mechanisms: a key component of preventing injuries in sport. Br J Sports Med, 39(6): 324-329, 2005. |
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スポーツ傷害(外傷・障害)の原因となる包括的モデル (Bahr et al. 2005 を改変) |